詳細
1. 目的と価値
スマートコントラクトは、ブロックチェーンの外にあるデータを自力で取得できません。そのため、外部データを届けるオラクルが必要です。Pyth Networkは、金融データの分散型「信頼基盤」として、この課題に対応します。
暗号資産、株式、コモディティ、外国為替などの価格を、ネットワークに参加する情報提供者から直接配信します。機関投資家向けの水準の精度と速さを目指しており、融資プロトコルや無期限先物取引所などのDeFiアプリケーションで役立ちます。古い価格データが使われると、不公平な強制清算につながるおそれがあるためです。
2. 技術と仕組み
Pythは、速度と効率を重視した仕組みを採用しています。情報提供者は、署名付きの価格データと、その価格の不確実性を示す信頼区間を、専用のアプリチェーンであるPythnetに送信します。そこでデータが集約されます。
Pythは、集約したデータをすべてのブロックチェーンに常時配信するのではなく、アプリケーションが必要に応じて最新の検証済み価格を要求する「プル方式」を使います。データは、クロスチェーン通信プロトコルのWormholeを通じて届けられます。
この設計により、基幹となる価格データは約400ミリ秒ごとに更新されます。また、ブロックチェーンの混雑や利用者が支払うガス代を抑えられます。
3. トークン設計とガバナンス
PYTHトークンの最大供給量は100億枚です。主な用途は、ガバナンスとステーキングです。保有者はPYTHをステーキングし、プロトコルのアップグレード、価格データの追加、資金管理などについて投票できます。
また、Pyth Proのサブスクリプションサービスなどから得られる収益の一部は、DAOの方針に基づき、市場でPYTHを購入して準備金に加えるために使われます。これにより、ネットワークの利用とトークン需要が結びつく仕組みになっています。
まとめ
Pyth Networkは、ブロックチェーンに価格データを届けるオラクルから、分散型の市場データ事業へと発展しつつあります。金融機関との直接的な連携と効率的な技術設計を活用し、オンチェーン金融を支える重要なインフラを目指しています。サブスクリプション型のモデルは、分散型データ提供の経済性をどのように変えていくのでしょうか。