詳細
1. 目的と価値
Arbitrumは、セキュリティ、分散性、処理能力のバランスを取るというEthereumのスケーラビリティの課題に対応するために開発されました。利用が集中すると、Ethereumのメインネットでは処理が遅くなり、手数料が高くなることがあります。
Arbitrumは、計算やデータの保存をEthereumのチェーン外で行い、取引をまとめて処理したうえで、その概要をEthereumに送信します。この仕組みにより、Ethereumの高いセキュリティを活用しながら、手数料を抑え、処理を速めることができます。その結果、より複雑で使いやすい分散型アプリを実現できます(CoinMarketCap)。
2. 技術と仕組み
このプロトコルは、オプティミスティック・ロールアップというスケーリング技術を採用しています。取引は基本的に有効なものとして扱い、誤りがある場合は後から異議を申し立てる仕組みです。通常は約7日間の異議申し立て期間が設けられ、その間に不正な取引を指摘できます。ユーザーは、ほぼ即時の確認を得られます。
また、Ethereum Virtual Machine(EVM)と完全な互換性があるため、開発者はEthereum向けのスマートコントラクトを、最小限の変更でArbitrumに移行できます。用途に応じた専用チェーンもあり、幅広いアプリ向けのArbitrum Oneや、ゲームなど手数料の低さが重視される用途向けのArbitrum Novaが提供されています(Bitstamp)。
3. トークンの仕組みとガバナンス
ARBは、ガバナンスに特化したトークンで、発行上限は100億枚です。保有者はArbitrum DAOの提案に投票し、プロトコルのアップグレード、資金の配分、セキュリティ評議会の選出などに関与できます。
発行量の35%超がコミュニティとDAOの資金に割り当てられており、分散型の運営を重視しています。なお、ネットワークの取引手数料はARBではなくETHで支払います。これにより、トークンの用途とネットワーク利用料が切り分けられています(Gate.io)。
まとめ
Arbitrumは、コミュニティによる運営のもとでEthereumの機能を拡張し、金融、ゲーム、企業向けアプリなどを支える高性能な実行環境を提供します。エコシステムが拡大し、機関投資家などによる利用が進むなかで、ガバナンスの仕組みはどのように発展していくのでしょうか。