詳細
1. 投資家向けトークンの前倒し解除(2026年10月5日)
概要: Ethenaは、投資家向けトークンの権利確定・解除スケジュールをまとめる方針です。2028年まで毎月解除するのではなく、残る投資家向けトークン約14億1,000万ENA(流通供給量の約14%)を、2026年10月5日に一度に解除します(CoinMarketCap)。これは、売却を続けていた一部の初期投資家から、ロック中のトークンを財団が買い取ったことを受けたものです。チームと財団が保有するトークンは、これまでの解除スケジュールが維持されます。
影響: ENAにとって、中立から強気の材料と考えられます。大量の供給が一度に市場に出ることで、供給増加への懸念を前倒しで解消し、その後17か月にわたって続く可能性があった価格への下押し圧力を抑えられるかもしれません。一方、解除されたトークンがすぐに売却されれば、短期的に売り圧力が高まるリスクがあります。
2. Ethena Payの世界展開(2026年9〜10月)
概要: USDeを使った支払いと利回り獲得に対応する、自己管理型のモバイルアプリ「Ethena Pay」は、2026年9月に400人を対象としてベータ版の提供を開始しました。9月から10月にかけて、ラテンアメリカ、アジア、アフリカなど49か国の利用者へ毎週順次展開されます。米国、EU、英国、カナダは対象外です(CoinMarketCap)。アプリでは、段階に応じて最大年率6%の報酬を提供するほか、Visaカードの利用に対してAVAXでキャッシュバックを行います。
影響: ENAにとって強気の材料となる可能性があります。DeFiでの投機以外の場面でもUSDeが使われるようになれば、実際の利用に基づく需要が生まれるためです。合成ドルであるUSDeを日常の支払いに利用できるようにすることで、より幅広い利用者に広がり、USDeの供給量やプロトコル収益が継続的に増える可能性があります。その収益は、ENA保有者にも恩恵をもたらすことが期待されます。
3. 収益に連動したENA買い戻しの開始(中期)
概要: ガバナンスで承認された提案により、Ethenaのプロトコル収益の一部を使って、計画的にENAを買い戻す方針です。買い戻しの割合はUSDeの供給量に応じて段階的に引き上げられ、供給量が75億ドルに達すると収益の5%、200億ドルに達すると20%が割り当てられます。基準に達した後は、USDeの貯蓄商品などから得られる純収益の95%を購入資金に充てる予定です(KuCoin)。購入したトークンをロックするのか、バーン(永久に使えない状態にすること)するのかなど、その後の扱いはまだ決まっていません。
影響: プロトコルの利用拡大、特にUSDeの成長がENAの需要に直接結びつくため、構造的に強気の材料と考えられます。プロトコル収益が買い戻しにつながることで、利用拡大とトークン需要が互いを後押しする好循環が生まれる可能性があります。ただし、この仕組みが動き出すには、現在の水準からUSDeの供給量が大きく増える必要があります。
結論
Ethenaは当面、トークンの大量解除による市場への影響を抑えながら、実社会での利用を広げることに重点を置いています。今後は、プロトコル収益と連動した成長を目指す方針です。Ethena PayによるUSDeの普及は、目標とする買い戻しプログラムの開始につながるほど拡大するでしょうか?