詳細
1. 目的と提供価値
COTIは、特に企業や組織がパブリックブロックチェーンを利用するうえで重要となる、プライバシーの課題に取り組んでいます。パブリックブロックチェーンでは取引の記録が公開されるため、取引額や売買ポジションなど、企業の機密情報が見えてしまう場合があります。
COTIが「Programmable Privacy」と呼ぶ仕組みを使うと、企業、DeFi(分散型金融)プロトコル、政府などが、パブリックブロックチェーンのセキュリティを活用しながら、機密性を保った業務を行えるようになります。たとえば、非公開のステーブルコインや給与支払い、現実資産(RWA)のトークン化などが想定されています(COTI Foundation)。これにより、プライバシーを一部の用途に限られた機能ではなく、ブロックチェーンの利用拡大に欠かせない基盤として位置づけています。
2. 技術とアーキテクチャ
COTI V2は、Ethereumのセキュリティを利用する、Ethereum Virtual Machine(EVM)互換のレイヤー2です。中核となる技術は、マルチパーティ計算(MPC)の仕組みの中で使われるGarbled Circuitsです。
その流れは次のとおりです。まず、ユーザーのウォレットが機密データを暗号化します。次に、そのデータをブロックチェーンの外に送り、分散型ネットワークが非公開の状態で計算します。計算結果は暗号化されたままブロックチェーンに記録され、結果を復号する鍵はユーザーだけが持ちます(COTI Foundation)。
プロジェクトによると、この方式はゼロ知識証明を使う代替手法と比べ、最大3,000倍高速で、データ量も最大250分の1に抑えられるとされています。これにより、多くの処理を低コストで行えることを目指しています。
3. エコシステムと今後の方針
COTIは、複数のブロックチェーンに対応する戦略を進めています。プライバシー基盤は2025年に独自のメインネットで稼働を開始し、2026年9月にはAvalancheのC-Chainにも展開されました。これは、大規模なクロスチェーン展開として初めての事例です(CoinMarketCap)。
「Privacy-on-Demand」の仕組みにより、対応するブロックチェーン上の開発者は、資産を別のチェーンへ移さずにCOTIのプライバシー機能を利用できます。また、2026年9月21日にはZK Foundationがプロジェクトの運営方針を引き継ぎ、実際の利用拡大を重視した、用途別のプライバシーアプリケーションに注力する方針を示しました(TradingView News)。
結論
COTIは、暗号技術を使って取引のプライバシーを守る仕組みを、複数のブロックチェーンで使える基盤として提供しようとしています。ブロックチェーン上の取引でも機密性が求められる時代に向けて、規制への対応を意識したCOTIのアプローチは、企業や金融機関の資金をオンチェーン金融へ呼び込む標準となるのでしょうか。