詳細解説
1. スマートウォレット統合(2025年6月9日)
概要: UniswapはEthereumのEIP-7702標準を活用したスマートウォレットを導入し、「承認+スワップ」をワンクリックで行えるようにしました。また、ガス代を任意のトークンで支払うことも可能です。
このアップグレードはアカウント抽象化を利用し、ユーザーがガス代のためにETHを用意したり複数回の承認を行う必要をなくしました。委任機能は任意ですが、ポートフォリオの自動リバランスなどの高度な機能を利用できます。既存のウォレットも引き続き使用可能で、オンチェーンのトランザクションを通じてスマート機能を選択的に有効化できます。
意味するところ: これはUNIにとって好材料です。個人投資家や機関投資家の利用障壁を下げ、プロトコルの利用拡大が期待されます。(詳細はこちら)
2. v4フック&効率化(2025年1月31日)
概要: Uniswap v4は「フック」と呼ばれるモジュール式プラグインを導入し、開発者がプールのロジックや手数料、流動性戦略を自由にカスタマイズできるようになりました。
シングルトンコントラクトの設計によりプール作成コストが99%削減され、フラッシュアカウンティングによりマルチホップスワップのガス代も低減。150以上のフックが展開され、TWAMM(時間加重取引)やMEV耐性プールなどの機能が実現しています。
意味するところ: これはUNIにとって中立からやや好材料です。フックはDeFiの革新を促進しますが、v3からの移行は徐々に進んでいます。流動性の分散リスクはありますが、自動ルーティング機能である程度緩和されています。(詳細はこちら)
3. セキュリティの全面見直し(2025年5月16日)
概要: v4は9回の監査、235万ドルのセキュリティコンペティション、そして過去最高となる1,550万ドルのバグバウンティプログラムを実施しました。
重大な脆弱性は発見されませんでしたが、バグバウンティは継続中です。コードベースにはアップグレード不可のコアロジックやEIP-1153による一時的ストレージなど、攻撃を防ぐための安全策が組み込まれています。
意味するところ: これはUNIにとって非常に好材料です。機関投資家の採用は堅牢なインフラに依存しており、強化されたセキュリティは規制対象の企業を引きつける可能性があります。(詳細はこちら)
結論
Uniswapの2025年のアップグレードは、開発者の柔軟性(フック)、コスト効率(v4アーキテクチャ)、そして企業レベルのセキュリティを重視しています。UNIの価格は前年比で-52%と低迷していますが、これらの改善はUniswapをDeFiの基盤的な存在として位置づけています。フックは新たなオンチェーン金融商品の波を生み出すきっかけとなるでしょうか?