詳細
1. 目的と提供価値
Pendleは、DeFiにおける利回りの変動しやすさという課題に対応します。ステーキングやレンディングによる予測しにくい収益をそのまま受け入れる代わりに、ユーザーは将来の利回りを先に売却することで、利回りをあらかじめ固定できます。一方、トレーダーは利回りに連動する権利を購入し、利回りの変化を見込んで取引できます。
これにより、利回りを取引するための仕組みが生まれます。従来の金融における債券関連の金融商品に似た市場をブロックチェーン上につくることで、収益の見通しを立てやすくし、新たな運用方法を可能にします。
2. 技術と仕組み
プロトコルの中核となるのは、標準化利回り(SY)トークンと自動マーケットメーカー(AMM)です。まず、stETHのような利回りを生む資産をSYに変換します。そのSYを、次の2つに分割します。
- プリンシパルトークン(PT):満期になると、元となる資産と交換できるトークンです。利息を受け取らない債券に似た仕組みです。
- イールドトークン(YT):満期までに発生する利回りを受け取る権利を表すトークンです。
Pendle独自のAMMは、時間の経過とともに価値が予測可能な形で減少するこれらのトークンに対応するよう設計されています。そのため、PTとYTを効率的に取引できます。
3. トークンの仕組みとガバナンス
PENDLEは、プロトコルのガバナンスと価値の還元において重要な役割を担います。保有者はPENDLEをステーキングして、リキッドステーキングトークンのsPENDLEを受け取ることができます。
sPENDLEの保有者は、流動性プールへの報酬の配分先を決められます。また、利回りに関する手数料やスワップ手数料など、プロトコル収益の最大80%を受け取ります。これらの収益は、市場でPENDLEを買い戻すために使われます。この仕組みにより、長期保有者がプロトコルの成長や手数料収入と結びつきます。
結論
Pendleは、将来の利回りを評価・取引・管理するための分散型インフラです。ブロックチェーン上の固定利回り市場を支える基盤の一つとなる可能性があります。利回りを生む資産が暗号資産だけでなく現実世界の資産にも広がるなか、Pendleの市場の仕組みは、次のオンチェーン金融の波を取り込むためにどのように進化していくのでしょうか。