詳細分析
1. 機関投資家の採用(強気材料)
概要: Pendleは2025年12月にBloomberg Galaxy DEFI Indexに組み入れられ、機関投資家が構造化された利回り商品にアクセスするための入り口としての地位を確立しました。これは、BlackRockがPendleのRWA(実物資産)に特化したCitadelsプラットフォームを通じてトークン化された米国債の統合を検討していることに続く動きです。
意味するところ: 指数連動型ETFやファンドがベンチマークに連動するためにPENDLEを組み入れる可能性があり、安定した買い需要が期待されます。過去の指数組み入れ(例:MSCIのリバランス)では、中型の暗号資産で5~15%の価格上昇が見られました。
2. Borosプロトコルのローンチ(影響は混在)
概要: PendleのBorosアップグレード(2026年第1四半期)は、永久的なファンディングレート取引を導入し、1,500億ドル以上の暗号デリバティブ市場をターゲットにしています。初期のテストネットでは、日次のオープンインタレストが3,500万ドルに達しています。
意味するところ: 成功すれば、Pendleの収益源が固定利回り以外にも広がりますが、dYdXやHyperliquidといった競合が存在します。2026年第2四半期までに市場シェアの1~2%を獲得できなければ、手数料収入の成長を見込むvePENDLEロッカーからの売り圧力が強まる可能性があります。
3. 利回り市場の縮小(弱気材料)
概要: EthenaのUSDe供給は2025年10月以降に50%減少し、70億ドルとなりました。これにより、Pendleの最大の利回り源である手数料基盤が縮小しています。PendleのTVL(総ロック資産)対時価総額比率は5.3倍で、Aaveの3.1倍を上回るものの、過大評価のリスクを示唆しています。
意味するところ: PendleのTVLが10%減少すると、過去には30日間でPENDLE価格が7~9%下落する傾向がありました。Ethenaの利回りが借入コストを下回っているため、さらなるTVL流出がトークンに圧力をかける可能性があります。
結論
Pendleの価格動向は、Borosの採用が利回り市場の縮小をどれだけ補えるかにかかっています。一方で、指数組み入れによる資金流入が安定要因となります。Pendleの実現利回り手数料の30日間の変化を注視しましょう。月間1,000万ドル未満の水準が続く場合、プロトコルにストレスがかかっているサインです。マクロ環境がさらに厳しくなる前に、Pendleは金利に敏感な利回りから永久的な利回りへと軸足を移せるでしょうか?