yearn.finance（YFI）とは

詳細解説

1. 目的と価値提案

Yearnは、複雑なDeFiの利回りファーミングを自動化することで簡素化します。ユーザーは「vault（ボールト）」と呼ばれる自動投資ツールに資産を預けると、これがリアルタイムの利回りデータに基づき、最もリスク調整後の収益が高いプラットフォームへ資金を動的に配分します。例えば、ステーブルコインのボールトはAave、Compound、Curve間で利回りに応じて資金を回転させます。これにより、ユーザーは手動での調査やガス代をかけた再調整をせずに、効率的なパッシブ投資が可能になります。

2. 技術とアーキテクチャ

YearnのV3ボールトはERC-4626標準に基づいており、他のDeFiプロトコルとの互換性を確保しています。スマートコントラクトを使い、Morphoのレンディングプールの活用や流動性ステーキングトークンとの連携などの戦略を自動で実行します。セキュリティ面では、ChainSecurityによる監査や、重大な脆弱性に対して最大20万ドルのバグバウンティプログラムを設けるなど、堅牢な体制を整えています（Yearn Governance）。

3. トークノミクスとガバナンス

YFIの総供給量は36,666トークンで固定されています。初期は流動性提供者がガバナンス契約にLPトークンをステークすることでYFIを獲得しました。保有者は分散型自律組織（DAO）を通じて提案に投票し、最近のアップデートではプロトコル収益の90％をステーキング報酬（stYFI）に回す仕組みに変更されました。これは、2021年の7億ドルのピークからTVL（総預かり資産）が92％減少した後の成長再生を目指すものです（Yahoo Finance）。

結論

Yearn.financeは自動化された利回り最適化の先駆者であり、革新とコミュニティ主導のガバナンスを両立させています。過去のレガシーコントラクトでの約900万ドルのyETH事件などリスクもありますが、主要なボールトは安全に管理されており、6億ドル以上の資産を運用しています。今後、DAOのインセンティブ設計がどのように進化し、YearnがDeFiの主要プレイヤーとしての地位を取り戻せるかが注目されます。