Wormhole（W）とは

詳細解説

1. 基本機能

Wormholeは、ブロックチェーン同士が資産（トークンなど）やデータ（オラクル情報やガバナンス投票など）を交換できる共通のメッセージングレイヤーとして機能します。Google CloudやAMDなどのGuardians（ガーディアンズ）と呼ばれる検証者がクロスチェーン取引を監視・署名し、Verified Action Approvals（VAA）を通じて取引が実行されます。この仕組みは、DeFiのスワップから機関向けのトークン化資産まで幅広い用途に対応しています。

2. トークノミクスとガバナンス

Wトークンは最大供給量100億枚で、Wormholeの分散型ガバナンスを支える役割を持ちます。MultiGovというシステムを通じて、EthereumやSolanaなど複数のチェーンでプロトコルのアップグレードに関する投票が可能です。Wのステーキングにより、プロトコル手数料から報酬が得られ、基本利回りは4％。さらに積極的にエコシステムに参加するユーザーは報酬が増加します（詳細はBlockworksをご参照ください）。

3. 戦略的な位置づけ

Wormholeは機関向けの相互運用性でリードしており、BlackRockの19億ドル規模のBUIDLファンドやApolloのプライベートクレジットのトークン化、Agoraなどのステーブルコイン発行者と提携しています。特にNative Token Transfers（NTT）フレームワークにより、USDCのような資産をラップせずにネイティブにチェーン間で移動できるため、規制対象の機関にとっての手間が大幅に軽減されています（詳しくはWormhole Blogをご覧ください）。

結論

Wormholeは、暗号資産だけでなく現実世界の資産もつなぐ重要な接続レイヤーへと進化しています。機関レベルのセキュリティとマルチチェーンガバナンスに注力することで、暗号資産が伝統的な金融に拡大する中で、Wトークンがクロスチェーンの価値移転のデフォルトになる可能性があります。