詳細分析
1. DeFiトークンの弱さ(弱気要因)
概要:
2025年12月6日時点で、暗号資産のFear & Greed Index(恐怖・強欲指数)は21/100(極度の恐怖)を示し、ビットコインの市場支配率は58.68%に上昇しています。これにより、投資家はリスクの高いDeFiトークンから資金を引き揚げています。DYDXの24時間取引量は4.34%減少し、960万ドルとなり流動性が薄くなっています。
意味するところ:
DYDXはアルトコイン全体の市場心理に強く連動しています。DeFiセクター全体のTVL(総ロック資産)は月間で11.75%減少しており(CoinMarketCap Global Metrics参照)、ガバナンストークンであるDYDXの需要も減少しています。
注目ポイント:
ビットコインの価格動向に注目。9万ドルを割り込むと、再びアルトコインの売り圧力が強まる可能性があります。
2. テクニカル面の崩壊(弱気要因)
概要:
DYDXは重要なサポートラインである0.49ドル(2025年11月以来の安値)を下回り、200日移動平均線(0.5127ドル)より78%も低い水準で推移しています。RSIは35.78で、まだ売られ過ぎのシグナルは出ていません。
意味するところ:
チャート分析では、これは長期的な下落トレンドの継続を示唆しています。次のサポートは0.41ドル(2025年の安値)にあり、反転の兆しを示すには日足で30日EMA(0.269ドル)を上回る必要があります。
3. トークノミクスの逆風(弱気要因)
概要:
DYDXのガバナンスで承認されたプロトコル収益の75%を使った買い戻し施策(CoinDesk参照)にもかかわらず、現在の価格水準では年間供給量の約5%分しか相殺できていません。
意味するところ:
月間500万~1000万ドルの買い戻しは、トークンのロック解除による大量供給を抑えきれていません。未配布のDYDXは1億5200万枚(最大供給量の15%)も残っており、7~9%のステーキング利回りも弱気相場では長期保有のインセンティブとしては不十分です。
結論
DYDXの下落は、暗号資産全体のリスク回避、テクニカルの崩壊、そして供給過剰という三重の要因によるものです。積極的な買い戻しは一定の下支えとなっていますが、トークンの勢いを回復させるには、市場全体のセンチメント改善や取引量の増加などの根本的な変化が必要です。
注目点:
DYDXが0.41~0.45ドルのゾーン(2025年10月の暴落時に守られた水準)を維持できるかどうか。ここを割り込むと、過去最安値の0.05ドル付近まで再び下落するリスクがあります。