詳細分析
1. Upbitハッキングによる流動性の混乱(弱気要因)
概要:
韓国最大の取引所であるUpbitは、11月26日に3,000万ドル相当のハッキング被害を受け、SOLやRAYなどのトークンの出金・入金を停止しました。RAYはコールドウォレットに移され、流動性が凍結されてパニック売りが発生しました(Cryptonews)。
意味するところ:
- 韓国の暗号資産取引量の約80%を占めるUpbitでのRAYの取引が制限され、需要が大きく減少しました。
- 過去の例では、2019年のUpbitハッキング時にRAYは1週間で40%下落しています。
注目ポイント: UpbitがいつRAYの出金を再開するかが重要です。
2. Chrome拡張機能による資金流出リスク(影響は混在)
概要:
悪意のあるChrome拡張機能「Crypto Copilot」が、Raydiumのスワップごとに0.05%の手数料を攻撃者のウォレットに送る仕組みを使い、約150万ドル相当のSOLやRAYが流出しました(Decrypt)。
意味するところ:
- 短期的にSolanaのDeFiツールに対する不信感が高まり、RAYの価格に圧力がかかりました。
- しかしRaydiumは迅速に対応し、現在は疑わしい取引を検知して警告を出す仕組みを導入しています。
3. テクニカルサポートラインの突破(弱気のサイン)
概要:
RAYは10月以来維持されてきた78.6%のフィボナッチリトレースメントライン(1.13ドル)を下回りました。RSIは41.7で売られ過ぎの状態を示していますが、MACDは依然として弱気を示しています。
意味するところ:
- 1.13ドルを下回ったことで、アルゴリズム取引が売りを加速させた可能性があります。
- 次のサポートは0.96ドル(2025年の安値)、抵抗は30日移動平均線の1.25ドルです。
結論
RAYの価格下落は、取引所の流動性問題、エコシステムのセキュリティ不安、そしてテクニカルな要因が重なった結果です。売られ過ぎのサインは反発の可能性を示唆していますが、持続的な回復にはUpbitがRAYの取引を再開し、SolanaのDeFiに対する信頼が回復することが必要です。
注目ポイント: 12月5日までに予定されているUpbitのハッキング後のセキュリティ監査結果。