Nexoの価格は、中央集権型金融(CeFi)の安定性と規制の逆風との間で揺れ動いています。
ガバナンス開始(2025年第4四半期) – コミュニティ主導の提案がトークンの実用性を高める可能性があります。
規制の明確化 – NEXOが証券と見なされるかどうか、米国証券取引委員会(SEC)の判断が重要です。
CeFiとDeFiの競争 – AaveやMakerの利用拡大が市場シェアを脅かしています。
概要:Nexoは2025年第4四半期にトークン保有者によるガバナンスを開始し、配当やプロトコルの変更に関する投票を可能にする予定です。これは、配当支払い時の売り圧力を軽減することを目的とした「Nexonomics」トークンの再設計に続くものです。また、Nexoカードの米国展開が示唆されており、MetaTrader 5を使った外国為替・商品取引の統合も進めています。
意味するところ:ガバナンスの導入はトークンの実用性やロックアップを増やす可能性がありますが、過去の配当による価格変動リスクは依然として残ります。米国でのカード普及が成功すれば新規ユーザー獲得につながるものの、価格変動時の担保管理など技術的な課題が普及の遅れを招く可能性もあります。
概要:Nexoはヨーロッパ(ジブラルタル)やカナダでライセンスを取得していますが、米国の規制はまだ不透明です。共同創業者のAntoni Trenchev氏は、SECがNEXOを証券と分類する可能性が「高い」と述べていますが、同社は先手を打ってオファリングの登録を済ませています。
意味するところ:米国での暗号資産に関する明確な法整備(例:Digital Asset Market Structure法案)が進めば、Nexoのビジネスモデルは正当化される可能性があります。一方で不利な判断が下されればサービス提供に制限がかかる恐れがあります。20名以上の社内弁護士と積極的なコンプライアンス体制は準備が整っていることを示しますが、法務コストが利益率に影響を与えるリスクもあります。
概要:Nexoは2025年第3四半期時点で20億ドルの貸出残高を持ち、CeFiレンディングではTether(146億ドル)に次ぐ規模ですが、Galaxy(18億ドル)よりは上回っています。一方、DeFiレンディングは同四半期で410億ドルに達し、AaveがEthereumやPlasmaチェーンで主導的な地位を占めています。
意味するところ:2022年のCeFi崩壊後も生き残ったNexoは信頼面で優位に立っていますが、DeFiの成長率(前四半期比54.8%増)が利益率に圧力をかけています。トークン価格は過去90日で24%下落しており、CeFi全体のパフォーマンス低迷を反映しています。市場のセンチメント回復には、利回り商品での差別化が鍵となるでしょう。
Nexoの価格は短期的には規制の不確実性やDeFiとの競争による圧力を受けるものの、ガバナンス開始や米国での製品展開といった追い風もあります。2025年第4四半期のガバナンス導入やSEC・CFTCの政策動向に注目しましょう。Nexoのコンプライアンス重視の姿勢が機関投資家の資金流入を促すのか、それともDeFiの革新スピードにCeFiの再建が追いつけないのかが今後の焦点です。
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