詳細分析
1. セキュリティ懸念(弱気要因)
概要:
Harmonyのブロックチェーンはバリデーターが資産を凍結できる機能を持っており(Bybitレポート参照)、これは分散化の理念と矛盾します。同時に、2025年に20億ドル以上の暗号資産を盗んだ北朝鮮のハッカー集団(APT38)が再び注目され、リスク回避の動きが強まりました。
意味すること:
市場が弱気の時期には、中央集権的なリスクや過去のハッキング被害を抱えるプロジェクトは投資家から敬遠されやすくなります。Harmonyの2022年のブリッジ攻撃による1億ドルの損失は依然として懸念材料であり、最新のAPT38の活動報告がこれをさらに悪化させています。
注目点:
ブロックチェーンの資産凍結機能に対する規制の動向や、Harmonyの回復基金の進捗状況に注目してください。
2. 流動性の低下(弱気要因)
概要:
EXMOは2025年9月にONE/USDTペアを「パフォーマンスとコンプライアンスの理由」で上場廃止しました。出金は可能ですが、取引の選択肢が減ることで、特に時価総額の小さいONEのような資産にとっては流動性が大きく損なわれます。
意味すること:
取引所でのサポート減少は流動性の低下(24時間取引量は680万ドルで、2024年のピーク時から84%減)につながり、価格変動リスクが高まります。取引回転率(0.126)は市場が薄く、価格が大きく動きやすいことを示しています。
3. テクニカルの崩壊(弱気要因)
概要:
ONEは61.8%のフィボナッチリトレースメントライン(0.00438ドル)を割り込み、主要な移動平均線(200日SMA:0.0096ドル)をすべて下回っています。RSI-7は28.6で強い売られ過ぎ状態を示していますが、買い戻しの兆候は見られません。
意味すること:
心理的な節目である0.004ドルを下回ったことで、アルゴリズム取引による売り圧力が強まった可能性があります。次のサポートは2025年の安値0.0035ドルまでなく、ビットコインが24時間で7%下落している状況では、テクニカル的にさらなる下落が予想されます。
結論
Harmonyの価格下落は、セキュリティ不安、流動性の低下、テクニカルの弱さという三つの要因が重なり、リスク回避の強い暗号資産市場の影響を受けた結果です。売られ過ぎの状態は短期的な反発を誘う可能性がありますが、強気の材料が乏しく、流通量が多い(147.8億ONE)ことから慎重な姿勢が求められます。
注目ポイント:
ONEが0.0035ドルのサポートを維持できるかどうか。ここを割り込むと、2023年の史上最安値0.0021ドルを再び試す展開となる可能性があります。