YieldBasis（YB）とは

詳細解説

1. コアイノベーション：インパーマネントロスの軽減

YieldBasisは、ユーザーが預けたBTCと借入れたcrvUSDをCurveのプールで組み合わせ、2倍のレバレッジ比率を自動リバランスで維持します（YieldBasis Docs参照）。BTC価格が変動すると、アービトラージャー（裁定取引者）がリバランスAMMを通じて価格の均衡を回復し、YieldBasisのLPトークンであるybBTCはBTC価格に対して1:1の連動を保ちます。これにより、流動性提供者はCurveプールの手数料収益を得ながら、インパーマネントロスのリスクを回避できます。

2. トークノミクスとガバナンス

YBトークンの設計は長期的な利益共有を重視しています。
- veYBガバナンス：YBトークンを最大4年間ロックすることで、発行量の調整やプロトコルアップグレードに関する投票権が付与されます。
- 動的な手数料分配：取引手数料の最大50％がveYB保有者に分配され、参加意欲を高めます。
- 供給上限：総発行量は10億YBで、その30％が流動性インセンティブに割り当てられ、発行量は時間とともに減少します（Tokenomics参照）。

3. 利回り戦略とエコシステム統合

ユーザーは以下の選択が可能です。
- ybBTCを保有：Curveプールの取引手数料から自然な利回りを得る。
- ybBTCをステーキング：手数料収益を放棄し、代わりにYB報酬を受け取り、さらにveYBにロックしてガバナンス権を得る。
プロトコルはCurveのインフラと深く統合されており、最近ではBTC担保の流動性拡大のために3億ドルのcrvUSDクレジットラインを確保しています（ニュース参照）。

結論

YieldBasisは、Curveの流動性基盤とレバレッジ機構、コミュニティ主導のガバナンスを組み合わせることで、BTCの利回り獲得方法を再定義しています。成功の鍵はcrvUSDの安定性維持と、ステーキング参加者と手数料収益者のインセンティブバランスにあります。DeFiにおけるリスクを抑えたBTC利回り戦略の標準となるか、今後の展開が注目されます。