PayPal USD（PYUSD）とは

詳細解説

1. 目的と価値提案

PYUSDは、日常の支払い、送金、Web3の利用に適した安定したデジタルドルを提供することを目指しています。1対1の米ドル裏付けにより価格変動が少なく、取引や貯蓄、DeFi（分散型金融）との連携に適しています。PayPalの4億3,400万人のユーザー間で手数料無料で送金できるほか、外部の暗号資産ウォレットへの送金も可能です。

2. 技術と仕組み

PYUSDはEthereum上のERC-20トークン、Solana上のSPLトークンとして発行されています。2025年にはArbitrum、Stellar、Tronなどのネットワークにも対応し、LayerZeroのクロスチェーンプロトコルを利用してほぼ即時かつ低コストでの送金を実現しました。このマルチチェーン対応により、分散型アプリ（dApps）や機関投資家の流動性が向上しています。

3. 主な特徴

分散型ステーブルコイン（例：DAI）とは異なり、PYUSDは規制遵守とPayPalのブランド信頼を兼ね備えています。準備金は分別管理され、WithumSmith+Brownによる毎月の監査を受けています。主な特徴は以下の通りです：
- リワードプログラム – PayPalやVenmo内でPYUSDを保有すると利回りを得られる。
- 企業向け連携 – 給与支払い、仕入先への支払い、KaminoなどのDeFiプロトコルでの即時決済に利用可能。

まとめ

PYUSDはPayPalの決済基盤とブロックチェーンの柔軟性を融合させ、ユーザーや企業が複数のチェーン上でデジタルドルを安全かつ規制に準拠して取引できるゲートウェイを提供します。国境を越えた利用が拡大する中で、PYUSDのマルチチェーン設計はハイブリッド金融の標準的な決済レイヤーとなる可能性を秘めています。