詳細分析
1. 取引所の動きによる流動性ショック(弱気・マイナス影響)
概要: Binanceは2025年11月7日にINIT/BNBペアを上場廃止しました。これにより流動性が他のペアに移る可能性があります。過去には、IOTX/BTCのようなマイナーなペアの上場廃止で、対象資産の価格が2週間以内に15~30%下落した例があります。一方で、2025年9月のUpbit上場では、INIT価格が数時間で10%上昇しましたが、その後利益確定で反落しました(TokenPost参照)。
意味合い: 中央集権型取引所(CEX)での視認性低下は売り圧力を強める可能性があります。特にBinanceの動き後、INITの24時間取引量は15%減の2,480万ドルに落ち込んでいます。ただし、取引量の85%を占めるUSDTペアが活発であれば、流動性ショックをある程度緩和できるかもしれません。
2. アップチェーン採用とインセンティブ(影響は混在)
概要: InitiaのVIPプログラムはステージ6で56万INIT(約6.6万ドル)を報酬として配布し、Cabal賄賂プラットフォームは年間60万ドルのインセンティブでガバナンスの40%を掌握しています(Initiaツイート)。しかし、TVL(総ロック資産)は3,400万ドル未満で、同じアップチェーン分野の競合Eclipse(4億2,000万ドル)に比べると見劣りします。
意味合い: 賄賂によるステーキング参加者の一時的増加(2025年8月時点で8,260万INITがステーク済み)は見られますが、持続的な価格上昇には実際の利用が不可欠です。実例として、INITベースのゲームから年間100万ドルの収益を上げるCivitiaは稀有な成功例です。
3. モジュラー型チェーンとの技術的立ち位置(弱気影響)
概要: Initiaの「織り込まれたロールアップ」アーキテクチャにもかかわらず、開発者はより確立されたL2フレームワークを好む傾向にあります。例えば、OptimismのSuperchainは15以上のチェーンをホストしているのに対し、Initiaは稼働中のアップチェーンが3つにとどまっています。RSIは45.23、MACDは-0.012と中立的な勢いを示し、61.8%のフィボナッチリトレースメントである0.125ドルは未だ突破されていません。
意味合い: 技術的な差別化やパートナーシップの成功がなければ、INITは「ゴーストチェーン」になるリスクがあります。2024年に新規登場したL1の78%が6ヶ月以内に開発者の活動を維持できなかったという傾向があります。
結論
Initiaの価格動向は、インセンティブプログラムを実際の利用に結びつけられるかどうか、そして激しいL1競争を乗り越えられるかにかかっています。取引所の変動や賄賂は短期的な上昇を引き起こすかもしれませんが、エコシステムの大きな進展がなければ0.10~0.15ドルのレンジで推移しそうです。2026年第1四半期に予定されているOmnichain SDKのリリースは、開発者の関心を取り戻し、状況を好転させるきっかけとなるでしょうか。