Morpho（MORPHO）価格予測

詳細分析

1. プロトコル手数料戦略（影響は混在）

概要：
Morpho協会は、将来のプロトコル手数料の100%をトークン保有者への配当ではなく、開発者助成やクロスチェーン展開などエコシステムの成長に再投資することを提案しています。これは、Metaのように18年間配当を出さず成長を優先したハイテク企業の戦略に似ています。

意味するところ：
この方針は採用拡大を加速させる可能性があり（強気材料）、一方で現在の保有者にとっての収益インセンティブが減るため、短期的な投機需要を抑えるかもしれません。過去の例では、Aaveのような手数料分配型トークンは強気相場で好調でした。

2. トークンの権利確定スケジュール（弱気材料）

概要：
MORPHOの供給量の27.5%は「戦略的パートナー」に割り当てられており、そのうち16.8%（第2コホート）が2025年10月3日に完全に権利確定します。これらのトークンは2022年の弱気市場時に約0.50ドルで取得されており、現在の1.25ドルの価格では利益確定の動機が強まります。

意味するところ：
Aptosの2023年の権利確定による32%の価格下落と同様に、集中した権利確定イベントは買い需要がなければ価格を押し下げる可能性があります。オンチェーンデータでは1日あたり2億2400万ドルの取引量が流動性を提供していますが、大量売却は下落を加速させる恐れがあります。

3. 企業の採用状況（強気材料）

概要：
MorphoのインフラはCoinbaseの暗号資産担保ローン（13億ドルの貸出実績）やSociété Généraleの機関向けDeFiレンディングに利用されています。さらに、イーサリアム財団は2025年10月にMorphoのバルトに600万ドルを預けており、信頼性の高さを示しています。

意味するところ：
実際の利用がトークンの実用性を高めています。Morpho上で10億ドルのローンがあるごとに年間約250万ドルの手数料が発生します（DeFiLlama）。2024年の90億ドルのTVL（総預かり資産）水準に回復すれば、手数料収入の増加が価格上昇を支える可能性があります。

結論

Morphoの価格動向は、企業の採用拡大が権利確定による売り圧力を上回るかどうかにかかっています。21SharesのETPやCoinbaseとの連携は機関投資家の関心が高まっていることを示していますが、10月の権利確定は重要な試練となります。プロトコル収益の成長が希薄化を上回るか注目しましょう。Morpho DAOの2026年第1四半期の手数料配分方針の投票は、配当への転換が投資家の関心を再燃させるかどうかの鍵となります。