Cronosは機関投資家からの追い風と供給リスクが混在しています。
SPACによる財務強化(強気材料) – Trump Mediaとの合併を通じて60億ドル相当のCROトレジャリーを形成し、機関需要の拡大を目指しています。
トークン供給ショック(弱気リスク) – ガバナンス投票待ちの700億CRO再発行案が価値希薄化の懸念を生んでいます。
AI決済イノベーション(影響は混在) – x402ハッカソンは実用的なAI決済の開発を目指すものの、普及には課題があります。
概要:CronosはTrump MediaおよびCrypto.comと提携し、SPAC合併(MCGA)を通じて64億ドル規模のCROデジタルトレジャリーを立ち上げます。この資金は約6%の年利でステーキングされ、Truth Socialの報酬システムにも組み込まれる予定です。
意味するところ:この計画が成功すれば、約63億CRO(流通量の17%)がステーキングにロックされ、売り圧力が軽減されます。ビットコインETFの成功例を参考にETF承認が実現すれば資金流入が加速する可能性がありますが、SECの承認遅延は依然リスクです(CoinJournal参照)。
概要:2025年3月に予定されているガバナンス提案では、2021年にバーンされた700億CROを10年間ロックされた準備金として再発行する案が示されています。バリデータ報酬は変わらないものの、総供給量は300億から1000億に増加します。
意味するところ:即時の希薄化はベスティング(権利確定)によって回避されますが、供給量が233%増加する心理的影響は価格に重くのしかかる可能性があります。2021年のバーンによる価格上昇の歴史からも、供給動向がCROの価値に大きく影響することがわかります。
概要:Cronosのx402ハッカソン(2025年12月~2026年1月)は、AIを活用した決済ソリューションの開発を目指しています。0.5秒のブロックタイムや90%の手数料削減などのアップグレードを活かし、AWSやGoogle Cloudとの提携でトークン化の拡大を図ります。
意味するところ:採用が進めば開発者やユーザーの増加が期待できますが、SolanaやPolygonといったAI+決済分野の競合も強力です。注目すべき指標は、現在7億1000万ドルのTVL(総ロック資産)と、2025年9月にピークを迎えた3万2千のデイリーアクティブアドレスです。
CROの価格は、ETFやSPACを通じた機関需要の拡大と、供給増加リスクのバランスに左右されます。一方で、AIの普及は長期的な実用性を高める可能性があります。テクニカル面ではRSIが39と売られ過ぎの状態ですが、23.6%のフィボナッチリトレースメントである0.127ドルを上回る終値が必要で、そうでなければ2023年からの60%下落トレンドの反転は難しいでしょう。2026年にCronosのバリデータAPYとTrump Mediaとの提携が、マクロ経済の逆風を乗り越えられるか注目です。
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