詳細分析
1. クロスチェーン採用の勢い(強気要因)
概要: Axelarのインフラは、2025年6月から稼働しているXRP LedgerのEVMサイドチェーンやmXRPトークンのような注目度の高い統合を支えています。mXRPトークンは開始から2週間で3,000万ドルの預金を集めました(参考リンク)。これらのパートナーシップにより、AXLは重要な相互運用レイヤーとしての地位を確立し、クロスチェーンの取引量は前年比で536%増加しています。
意味するところ: Axelarのネットワークがクロスチェーン送金やDeFi統合により多く利用されることで、取引手数料収入やAXLのステーキング需要が増加する可能性があります。ただし、LayerZeroやWormholeといった競合も存在し、2025年のブリッジ取引量は1.3兆ドルに達しているため(参考リンク)、価格上昇の余地は限定的かもしれません。
2. 市場センチメントとアルトコインの逆風(弱気要因)
概要: 2025年12月6日時点でビットコインの市場支配率は58.7%と高水準を維持しており、Altcoin Season Indexは20/100でビットコイン中心の戦略が優勢です。AXLの過去90日間の価格は61.9%下落しており、これはアルトコイン全体の弱さ(暗号資産市場全体の時価総額は月間で11.8%減少)と連動しています。
意味するところ: Axelarの回復はリスク資産への資金回帰に依存しています。過去の傾向では、AXLのような相互運用トークンはアルトコインが勢いを増すと上昇しますが、現在のマクロ環境(CMEの暗号デリバティブの未決済建玉は月間で5.6%減少)を考えると慎重な姿勢が求められます。
3. テクニカルおよびオンチェーンのシグナル(混合要因)
概要: AXLの価格は200日SMA(0.29ドル)を61%下回っており、RSIは34.09で売られ過ぎの状態を示しています。一方で、ステーキング活動は堅調で、Axelarのステーキングガイドによると、流通供給量は10.8億AXL、バリデーターが1億2,200万ドル相当のTVLを確保しています。
意味するところ: 売られ過ぎの指標は短期的な反発の可能性を示唆しますが、持続的な回復には50日SMA(0.138ドル)を回復する必要があります。ネットワーク利用が増えれば、オンチェーンのステーキング利回りが買い手を引き付ける可能性もあります。
結論
Axelarの価格動向は、mXRPやEVM統合などのクロスチェーンの実用性が、暗号市場全体のリスク回避をどこまで相殺できるかにかかっています。0.10~0.12ドルのゾーンは重要なサポートラインであり、これを割り込むと2025年の安値0.105ドルを試す展開も考えられます。XRPLのEVM活動やビットコインの市場支配率の変動に注目し、Axelarの技術がアルトコインの下落を上回る勢いで成長しているかを見極めましょう。